3500万円が貯まるまで㉕「パワハラに猛抗議するがクビを言い渡される」
ごきげんよう、おひとり様セミリタイア中のヤモリです。
この記事は私が借金270万円から始まって未経験でIT業界に転職し、15年で3500万円を貯めてセミリタイアするまでを連載形式で書いています。前回は寿退社する人の後任で引継ぎ中に異動先の不穏な空気を感じ……というところまででした。その続きです。
初回:セミリタイア資金3500万円が貯まるまで①「マイナス270万円からのスタート」
前回:3500万円が貯まるまで㉔「納得いかない……イライラをぶつけてしまうことも」
パワハラのお手本のような人
異動先のリーダーは密室となった会議室で机を拳で殴りつけて言いました。
「だから、なんで目標が達成できないんだって聞いてんだよ!!」
「言われた通りにやってたらできてないはずねーだろうって言ってんだよ💢」
ドスの効いた声で営業目標の未達を報告した社員2名に暴言を浴びせています。
二人は特に驚くでもなく淡々と報告を繰り返しますが、リーダー社員はずっと先ほどの調子で怒り狂っているので堂々巡りになり、営業含め黙るメンバーにひたすらリーダーが圧をかけ続けるだけの構図になりました。1時間のはずの会議は2時間が過ぎても終わる気配がありません。
あまりにもパワハラのお手本のような光景に、私は「え?は?え?」と混乱しながらじっと待つしかありませんでした。
やっと解放されたのち、すぐにIさんにメールを送りました。
「リーダー社員さんのことで聞きたいことがあるんだけど、今日何時に帰れる?」
Iさんの証言
当時Iさんとの仲はすでに破局を迎えていたものの同棲を始めてしまったこともあり、再び引っ越すには貯金が心もとなかった私はルームシェアのような形でIさんとの同居を続けていました。カップルと言うよりはルームメイトのような関係です。
一人で家にいたい私と、何かと夜遅くまで帰ってこないIさんの生活は普通にしていたら顔を合わせることもないので、事情を聴くため私はIさんに帰宅時間を確認し、今日目の前で起こったことについて聞くことにしました。
「今日のあれ……なに? どういうこと?」
「……いつものことだよ」
私は今日まさにリーダー社員に暴言をぶつけられていたIさん自身に尋ねました。
「なんであんな机を殴りつけたりしてるの? あんなのどう見てもパワハラじゃない」
「今日のはまだマシな方。O君(もう一人の営業担当)なんか前に頭めがけてペットボトル投げつけられたこともあるし……ああいう人なんだよ」
「なんで止めさせないの? 絶対おかしいでしょ!」
「課長も知ってることだよ。さすがに女性には手は出してこないと思うけど」
確かに私には暴言やら圧が飛んでくることはありませんでした。
ですが、「だからいい」なんて思えません。あの空間にいるだけでフラッシュバックが起きそうになるのを必死に耐えていた私は、この先も同じ状況で仕事をするなんて到底耐えられることではありませんでした。
猛抗議! その後、サービスは撤退が決まり私もクビに……
次の日、すぐさま派遣会社のコーディーネーターさんに連絡を取って、事の次第を話しました。
定例会議でリーダー社員が机を拳で殴りながら圧をかけること、1時間のはずの会議が平気で2時間以上に伸びることなど、私自身に対してのパワハラでないにしてもこのような会議に参加しなければならないこと自体がハラスメントであり、到底耐えられるものではないと猛抗議しました。リーダー……いえ、パワハラ社員さんと同じ会議に出る仕事は一切したく無いと訴えました。
私の抗議は派遣会社を通して課長に伝わり、課長から私以外のチームメンバーにもヒアリング。結果、不適切な対応の事実が認められたため、パワハラ社員さんには厳重注意となりました。一応、パワハラ社員さんからは「なんかごめんね💦」的な謝られ方をしましたが、私の警戒心は解けませんでした。その後もいやいや定例会議に参加して仕事を続けていましたが、その後一か月ほどでパワハラ社員さんが退職したと聞かされます。
Iさんから聞くところによれば以前から決まっていた退職らしいのですが、有給消化もなく最終出社日の次の日には転職先の会社に出社したようです。しかし、事件はこれだけでは終わりませんでした。
どうやらパワハラ社員さんが会社に申告していたのとは違うお金の使い方をしていたらしく、新規サービスは即時閉鎖が決定。予算帳簿を管理していた私も事情聴取を受けることになりました。
懐に入れたわけではないので横領とかではないのですが、サービスの実績を実際よりもよく見せるために本来許可されていた以上のお金を勝手に使っていたようです。その請求書がパワハラ社員さんの退職後に続々届き慌てて調査が入ったようで……。
私は予算管理を担当してはいましたが、実際の予算額は毎月パワハラ社員さんに聞いて数値を入れていました。それは会社側もわかっていたようで、話を聞かれはしましたが特に私が疑われていたわけではなかったです。念のためのヒアリングだったらしくその後も特に何か聞かれたりはありませんでした。
サービス自体ももともと成績が芳しくないことから内々には半年以内の撤退が決まっていたようなのですが、予定を前倒しての閉鎖となったようです(この辺はほぼIさん情報です)。
そして、サービスの撤退とともに私も課長直々に派遣期間終了を申し渡されました。事実上のクビです。私が異動してからおよそ二か月後のできごとでした。
次回に続きます。
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初回:セミリタイア資金3500万円が貯まるまで①「マイナス270万円からのスタート」
次回:3500万円が貯まるまで㉖「生き方マニュアルが見つからない」
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