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おひとり様女性がサイドFIREしてみた

3500万円が貯まるまで⑲「告白させたのち断る」

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ごきげんよう、おひとり様セミリタイア中のヤモリです。

この記事は私が借金270万円から始まって未経験でIT業界に転職し、15年で3500万円を貯めてセミリタイアするまでを連載形式で書いています。前回はなぜか職場の人が結託してある男性とくっつけようとしてくるので、元凶のIさんとサシで話をすることにしたところまででした。その続きです。

初回:セミリタイア資金3500万円が貯まるまで①「マイナス270万円からのスタート」

前回:3500万円が貯まるまで⑱「恋人ができました」

 

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Iさんと食事の日がやってきました

私は最初から告白させたのち断るつもりで食事に臨みました。何も気づいていないような素振りで適度に会話を盛り上げつつ「これはいけるだろう」と相手に思わせました。

酷いと思うかもしれませんが、それは承知の上です。前回記事のコメント欄で書いて下さった方もいますが、職場でIさんが周りの人に協力を求めたことにより私は完全にアウェー(敵地。自分にとって居づらい雰囲気)でした。

本人は無邪気に頼んだだけかもしれませんが、仕事をするうえで交際を断りずらい状況に追い込むのは一歩間違えばセクハラにもなりかねません。もしこれが自己主張の苦手なか弱い女の子とかだったら自分の意思とは関係なくなし崩し的に交際するしかなくなっていたかもしれません。

それに、食事に誘われた時点で私は入社後一か月経っていませんでした。仕事上の関わりも会話の機会もろくにない以上、Iさんが私に狙いをつけたのは恐らく年齢見た目といった要素でしかないわけです。当時の私はMOREとかWithに掲載されているような比較的女性らしいファッションを好んでいて、ひざ丈のフレアスカートやシフォン素材のブラウスを愛用し髪をハニーブラウンに染めたりまつエクやセルフネイルにも興味を持っていました(今は少年みたいな見た目をしています)。お互いに交流していく中で好きになっていったけどきっかけが掴めなくて……とかならわかるのですが、いきなり追い込み漁を始めたことには少なからず私も腹を立てていました。

なので私が相手のことをよく知ろうともせずに罠を仕掛けて交際を断ったとしても、それはお互い様だと思っていました。

本当に好きなら、まず直接本人がきたらどうなんだという話です。

 

 

告白タイム

宴もたけなわになってきたところで、Iさんがプレゼントにギフトボックスに入ったプリザーブドフラワーを取り出し告白タイムが始まりました。「まあ、そんな風に思われていたなんて知らなかったわ」なんて態度をとりつつ、私も用意してきたセリフを繰り出しました。

 

「今日は、お話できて楽しかったです。Iさんもすごく素敵な方だってわかりましたし……でも、私情緒不安定でメンタルクリニックに通っていて今とても恋愛ができる自信はないんですよね。それにアニメとかゲームが好きなオタクなのでIさんとは趣味が合わないと思いますよ? Iさんはアニメとか見ないですよね^^」

 

私の見る限り、Iさんは自分の恋愛事に他人を巻き込めるくらい人脈の広い陽キャです。

Iさんをやんわりと振っても「この子はIさんの良さを分かっていないだけ」と思われて再び周囲の人間を巻き込んだ追い込み漁を仕掛けられては意味がありません。逆に「あなたみたいな人は好みじゃない」などと言ってこっぴどくIさんを振ろうものなら、それこそIさんやその仲間の人たちに印象が良くないし今後の仕事にも差し支えるかもしれません。

Iさんからはオタクの匂いは感じ取れなかったので、メンヘラオタクの二枚看板の破壊力を盾に「今私は恋愛できる自信がないからそっとしておいてほしいの」と伝えることで向こうから手を引きやすくするのがベストな選択と判断しました。

Iさんが私の見た目からおしゃれで清純そうな女性像を勝手に描いているのだとすれば、まずそのイメージを破壊することが効果的だと考えたのです。

今でこそ普段アニメに関心のない人間もエヴァンゲリオンの映画を見たり芸能人がアニメ好きを公言するなどオタクフレンドリーな時代になりましたが、今から10年前のアニメオタクに人権はありませんでした。職場バレしたらキモイ人扱いされたあげく村八分に遭い、本気で転職を考えるような時代だったんです(yahoo知恵袋にもそういう相談があふれていました)。

オタクをカミングアウトすることにはリスクを伴いましたが、幸い一人で黙々とやればいいような仕事内容でしたし今の状態よりは腫物に触るように遠巻きに見られるほうがまだいいと覚悟しました。

 

 

Iさんの反応

捨て身ではありましたが我ながらゴール隅を狙った絶妙なシュートが決まったと思ったら、Iさんが間髪入れずにこう言いました。

 

じゃあ、僕もアニメの事これから詳しくなりたいので勉強しますね

 

これから詳しくなりたいので勉強しますね????

この人、何言ってるの?????

 

何かお勧めの作品あったら教えてください」とか言いながらIさんは会話を続けました。何を勧めたかは忘れましたが、なんか勧めた気がします。予想もしていない方向から矢が返ってきたので、思わず防御が遅れてしまいました。ダメだ、負けちゃいけない。

 

「でも、私精神的に参ってて不安定っていうか、今は治療に専念したくて……」

大変な時ですよね……僕も支えられるように協力しますから二人で頑張りましょう

 

「今はどんな治療をしているんですか?」と聞かれたので「えっと……今は投薬と運動してて……」と答えてしまいましたがどうしよう、この人どこにボール投げても打ち返してくる。いつの間にか小学校時代にバドミントンをやっていたことまで聞き出されていました。

 

僕、いい公園知ってるのでそこでバドミントンしましょう。次いつ空いてますか?

 

そう言うとIさんはさっき告白タイムがあったことも華麗にスルーしてスケジュールを確認し始めました。「はい」とも「いいえ」とも言っていないのに「二人で頑張る」がすでに既定路線になっていることに気づいたのはIさんと別れて自宅への帰路を歩いている途中でした。

 

 

あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!

私はきつねにつままれたような気持で帰り道を歩いていました。

引け。ドン引きしてしまえ」と思いながらメンタルヘルスとアニメオタクをカミングアウトして終止符を打ったはずが、いつのまにか次回のデートのアポを取られていたことに理解が追いついていませんでした。ジョジョの『あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!』のミームが頭をよぎりポルナレフ状態になりました。

Iさんが営業職だったことを思い出したのはさらに翌日出社してからでした。

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次回に続きます。

 

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