3500万円が貯まるまで⑮「前の職場での辛い記憶がフラッシュバックする」
ごきげんよう、おひとり様セミリタイア中のヤモリです。
この記事は私が借金270万円から始まって未経験のIT業界に転職し、15年で3500万円を貯めてセミリタイアするまでを連載形式で書いています。前回は魔王Sさんのいじめに遭うも3か月未満で辞めた職歴をつけたくなくて無駄な努力をしたあげく結局退職したところまででした。その続きです。
初回:セミリタイア資金3500万円が貯まるまで①「マイナス270万円からのスタート」
前回:3500万円が貯まるまで⑭「職歴に2度目の✖をつけたくなかった」
新しい派遣先との顔合わせ
退職後すぐに新しい派遣先を紹介してもらい、顔合わせになりました。
スキルのことなどを聞かれつつ、前の派遣先を3か月足らずで辞めた理由について聞かれます。
「来た」と思いました。無職だった期間についてはもうあまり聞かれませんでしたが、やはりここは直近なので避けては通れないようです。
私はできるだけ部分的に話をするようにしました。詳しいことを説明しようとするとどうしてもSさんやリーダーに対する非難が混じってしまいそうで、そういう話は例え事実であったとしても雇う側から見たら印象が良くないと思ったからです。
「リーダー社員→先輩派遣社員→実際に作業するメンバーの指示系統でしたが、リーダー社員と先輩派遣社員の間で指示が食い違ってしまうためやりにくさを感じていました。なので、できれば仕事の指示を出す人と間に誰も挟まないで直接やり取りできる仕事に変えたいと思って退職しました」と答えました。
この時、顔合わせに同席したのは派遣予定先の女性社員とその上長です。
女性社員はさらにつっこんで聞いてきました。
「具体的にどんなところがやりづらかったんですか?」
私は尋問されているような気分で、息を吸い込んでから答えました。
キーワードのチョイスが違うと言われて何度もやり直しになったこと、具体的なキーワードを先輩派遣社員に選んでもらって作業したけどリーダーからそれも違うと言われたこと、文字数を巡って「短く」と「長く」で正反対の指示を受けたことなどです。
私はここで言葉を切りましたが、女性社員はまだ何か聞きたそうでした。ここで同じく同席していた派遣会社のコーディネーターさんが初めて口をはさみ助け舟を出しました。
「ヤモリさんの前の職場では仕事の仕方にあいまいなところがあって、3人いた派遣社員が短期間に次々に辞めることになりました。これについては私共のサポートが至らなかったところで誠に申し訳なく思っています。ですが、そんな状況でもヤモリさんが一番最後まで残って働いてくれていました。もうそんなことがないように、今度こそ責任をもって私がサポートしていきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします」
そう言って、深々と頭を下げたのです。
コーディネーターさんがこのようなフォローを入れてくれたことは大変にありがたかったのですが、当時の私には気持ちの余裕がなく前の職場のことを思い出すと吐き気がして気持ちが悪くなっていました。ずっと硬い表情をしていたと思います。
上長と思われる男性社員が、
「そうだよねー。クールな感じ、とかポップな感じ、とか難しいもんね~」と朗らかに言って場を和ませ、顔合わせは終了しました。
採用が決まるも、前の職場の辛い記憶からフラッシュバックを起こすようになり……
その後、無事に採用が決まったとコーディネーターさんから連絡がありました。
私はフォローのお礼を言って電話を切り、まもなくして新しい職場での出社日を迎えました。
緊張しましたが無事に挨拶を済ませ仕事の引継ぎに入りました。希望通り指示者と私の間に誰かを挟むようなことはなく、顔合わせの時にいた女性社員から直接レクチャーを受けました。美人で、優しくて、頭のいい人だと思いました。説明も丁寧です。
でも、私はこの頃頻繁にフラッシュバックを起こすようになっていました。
前の職場での嫌な場面だけじゃなく、新卒の時の会社で叱られ続けていた時のことまでとめどなく思い出しては心臓がドキドキして息がしにくくなりました。
こんなことは早く忘れよう、思い出さないようにしようと思ってもそれは幾度となく突然襲ってきました。そのうち思い出していない時でも「また思い出したらどうしよう」と思ってドキドキするようになりました。そうなるとしばらくの間仕事をする手がとまり、深呼吸して指の震えが収まるのを待つしかありませんでした。
やがてもっと悪いことが起こりました。
朝出社してきて、メールをチェックして仕事の内容を読み取ろうとしたのですがどうしても文字が読めないんです。
お疲れ様です。〇〇です。
***********、
*****。
一行目を読んで二行目に移ったはずなのに、また一行目を読んでいました。
あれ?と思ってもう一度読もうとするのですが、どうしても2行目以降を読むことができません。
その後、1時間に渡り何度も何度も同じメールを読もうとしましたが、結局読むことができませんでした。
自分に何が起こっているのかわかりませんでしたが、「まずい」とか「やばい」とかいろんな焦りの感情はすぐにやってきました。その日やるはずの仕事はまったく進んでいません。
私は今の自分の状態が周囲にバレるのが怖くなって、「風邪を引いたみたいで熱っぽい」と噓を言って逃げるように早退しました。
続きます。
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最初から読む:セミリタイア資金3500万円が貯まるまで①「マイナス270万円からのスタート」
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