3500万円が貯まるまで⑭「職歴に2度目の✖をつけたくなかった」
ごきげんよう、おひとり様セミリタイア中のヤモリです。
この記事は私が借金270万円から始まって転職を繰り返し、15年で3500万円を貯めてセミリタイアするまでを連載形式で書いています。前回はリーダーの社員と先輩派遣社員Sさんの指示が食い違うストレス状態の中、派遣社員が一人また一人と辞めていくのを笑いながら見ているSさんの次の標的は私で……というところまででした。その続きです。
初回:セミリタイア資金3500万円が貯まるまで①「マイナス270万円からのスタート」
前回:3500万円が貯まるまで⑬「そして、私だけが残された」
職歴に2度目の✖をつけたくなかった
Sさんと風船ガム先輩のクスクス笑いの中、なにかとてつもなく悪いことが起こっていることに鈍感な私も十分すぎるほど気が付いていました。その標的が最後に残った自分に向かっているということにも。
しかし、この時私は愚かにも誤った選択をすることになります。
辞めたくない、と思ってしまったんです。
前回の職場で「自分から辞めない」誓いを立てたからじゃありません(そもそも職場が違います)。ただ単に、職歴に3か月未満で辞めた経歴を載せたくなかったからです。
想像してみてください。
今この仕事を辞めてしまったら、その後の職務経歴書にはこう並ぶことになるんです。
- 新卒で入った会社を3年未満で退職
- 2年間無職
- 1年間派遣社員満了
- 3か月未満で派遣先を退職 ←NEW!
周りの目が怖い恐怖に押しつぶされそうになりながらやっとの思いで無職を脱して作った1年間の職歴が、水の泡になってしまうと感じました。ペケが一回だけなら”たまたま”仕事が合わなかったと言い訳できる。でも、2回も挫折したら”私が”そういう人間だということになってしまう。中途半端な職歴が増えれば増えるほど、その履歴書が私という人間を書き換えていってしまうのではないかという錯覚が当時の私にはあって、それは想像するだけで怖いことでした。次の転職先でそう受け止められてしまうのと同時に、自分自身を正当化することもできなくなるような気がして、それだけはどうしても嫌だったんです。
焦った私はどうにかSさんとの仲を取り戻そうとランチに誘ったり、仕事中もたくさん話しかけたり、どうにかこの事態を乗り越えようとあがきました。すでに結論から申し上げているのでお分かりかと思いますが、これらは無駄な努力でした。雑談どころか仕事に必要な質問をしても、
「私に聞いてもまたやり直しになるから聞かないほうがいいんじゃないですか?」
もはやSさんは態度を隠そうともしませんでした。
社員のリーダーも何かと理由をつけて席に返ってこない日が増えた気がします。崩壊は秒読み状態でした。
パンドラの箱(最後に希望が残らないタイプ)
やがて、その日はやってきました。
私はまだSさんに話しかけるのをやめていませんでした。そしてSさんが何か言ったのですが、実はこの時具体的にどんな会話をしたかどうしても思い出せません。その他の部分は音声と映像付きで思い出せるのに、ここだけ記憶が白紙というか該当のファイルが存在していません。多分、私の記憶を統括する脳の偉い部分が、「それはパンドラの箱だから開けたらアカン。最後に希望が残らないタイプの奴だから」と警告を発してくれているのだと思うので、このままそっと閉じておこうと思います😅
ただ、これによって私の顔面もあの日見たベテランさんのように血の気が引いて能面のようになったことは記憶しています。怒りに震えてるという体験をしていたように思います。
その後、私はすぐにEメールで不在のリーダーにこう送りました。
「今日は何時に戻られますか?可能な限り早く辞めたいので、今日中にお話させてください」
仕事を辞めた過ぎて奇行に走った私
その後、リーダー社員と風船ガム先輩の上長でもある先輩社員さんとの3人で面談を行いました。一応退職したい理由としてこれまでの顛末を話しましたが、そんなことはもうどうでもいいことでとにかく早く辞めたかったです。リーダーは当然知っている話ですし、先輩社員さんに対して主に説明する形でした。すでにある程度の話は聞いていると先輩社員さんは言いました。そして、いつ辞めたいのかだけ聞きました。
私は「必要ならその期間は出勤しますが、可能な限り1分1秒でも早く辞めたいです。なのでそちらから期日をおっしゃってください」と答えて、結局一週間後に契約終了することになりました。
その日以降、私ももうなにも言わずただ淡々と事務処理をこなしました。
面談の時に承諾を取って、Sさんからの指示はもう受けず毎日のルーティンワークだけをこなしました。すぐにやることがなくなりましたが、開き直って自習時間にしました。お互いに話すこともありません。
で、一週間後退職日を迎えるのですが、この時も私はよくわからない行動に出ます。
今でも何でそんなことしたのか全然わからないのですが、最終日に退職菓子を用意して配ってました。 ここまできたらもういらないでしょ!と今なら思うんですけど、1週間も「辞めたい」と思い続けたのでいざその時を迎えたら嬉しすぎてわけわかんなくなっちゃったんでしょうねw
にっこにこの笑顔でお菓子を配る私を同じフロアの人も風船ガム先輩もリーダーもみんな奇妙なものを見る目で見てましたwwww
今、振り返ってみて自分でも割と怖い光景だったなーと思います。
もちろん、Sさんのところにも配りに行きました。
「短い間でしたがお世話になりました。これよかったら召し上がってください」とふつーの退職のような挨拶をしました。嫌味っぽい口調でもなくて、どちらかというと「ようやく退職出来る!」という喜びで本当ににこやかでした。
Sさんは言いました。
「私、もう人を教えないことになったんですよ」
私は特に何か思うこともなくて、「あ、そうなんですか?」とだけ返しました。正直辞められて嬉しい以外の事は考えてなかったのだけど、もしかしたら「あなたのせいで私はサブリーダーになれなくなったのよ!」という意味で言われてたのかも?と10年以上経った今になって気づきましたね。
次はリーダーです。
「お世話になりました。次の人はもう決まったんですか?」
「いや、もう新しい人は入れないことになったから」
どうやら人事?かどこかが3か月足らずの間に相次いで派遣社員が辞めたことを受け止めてそのような措置を講じたというような話を聞きました。これも当時は気づきませんでしたが「お前のせいで俺は出世コースを(以下略)」。
……今になって思えば、サブリーダーとして期待を掛けられて意気込んでいたSさんや、始めて自分のアシスタント付きチームをもったリーダーがその結末だけ見ればちょっとかわいそうだった気もします。でも、やって良いことと悪いことはありますので私から差し上げる同情の余地はないです。
このエピソードはここまでで終わりですが、無理にでも退職を回避しようとして負ったダメージはこの先も想像以上に私を苦しめ続けることになります。
次回に続きます。
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最初から読む:セミリタイア資金3500万円が貯まるまで①「マイナス270万円からのスタート」
次回:3500万円が貯まるまで⑮「前の職場での辛い記憶がフラッシュバックする」
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