3500万円が貯まるまで⑫「まるで拷問のよう」
ごきげんよう、おひとり様セミリタイア中のヤモリです。
この記事は私が借金270万円から始まって転職を繰り返し、15年で3500万円を貯めてセミリタイアするまでを連載形式で書いています。前回は2回目の派遣先で時給1550円の広告アシスタントになるも不穏な影が…というところまででした。その続きです。
初回:セミリタイア資金3500万円が貯まるまで①「マイナス270万円からのスタート」
前回:3500万円が貯まるまで⑪「3か月後に誰もいなくなる職場」
チームメンバー
まずメンバー構成として、正社員のリーダー1名にたいして、すでに1年ほど前から派遣されていた先輩派遣社員(Sさんとします)が1名。さらに私を含めて同時期に入った新しい派遣社員が3名です。
リーダーは先輩派遣社員のSさんをサブリーダーとして育てたい意向があったため、リーダー→Sさん→私含む3人の派遣社員の順で指示系統を敷きたいというお話でした。こちらとしてもリーダーは会議などで日中不在にすることも多かったので、すぐ隣にいて質問できるSさんがリーダー役をしてくれるなら、特に異論などあるはずもありません。しかし結論から言えばこれは機能しませんでした。
すれ違い
例えば、広告に必要なタイトルや説明文を作る際、使用する言葉のイメージ(親しみやすいとか固めとか呼びかける感じなど)をもとにある程度作業者自身で考えて作るのですが、なんというかこのイメージがものすごくズレるんです。リーダーが会議から帰ってきてチェックしてもらうと「違う。これじゃない」と大体作り直しになっていました。
「でもまあ、言葉のニュアンスなんて微妙なものだし、始まって間もないチームならお互いのイメージがすりあわなくてもしょうがないよね」と思ってそのたび作り直していました。
もちろん同じことを繰り返さないために対策も考えました。
先にSさんから聞いたリーダーの指示したイメージに近いキーワード群をいくつか考えてリストを作成、それをSさんに見せながら実際に使いたいキーワードに〇をつけてもらうようにしたんです。ニュアンスだけで会話してイメージがずれるなら具体的に単語を指定してもらうのが確実ですし、これを繰り返していくうちにお互いのイメージもすりあってくるんじゃないかと考えました。
キーワードの選び方をお互いに確認しつつ、Sさんに〇をつけてもらったそれを使ってタイトルや説明文を作りました。そして、終業間際になって戻ってきたリーダーに確認を仰ぐのですが……やはり「それじゃない」と言います。
極めつけは、文章の長さに対する指示です。
Sさんはできるだけ長く文章を作って欲しいと言いました。「文字数制限ギリギリまで使って文章を長くした方がたくさんアピールできるでしょう?」と言って、私の作った少し短めのタイトルや説明文の書かれたエクセルを直してみせました。私も関数を使って実際に文字数をカウントしながら40字ギリギリに文章を作り直していきます。
その後リーダーが戻ってきてこう言いました。
「あー、長くしちゃったのか……文章はできるだけ短く作ってほしかったんだけど。ダラダラ書いても全部読まれないし、それならスパッと直感に訴えたいんだよね」
……長くしてほしいと短くしてほしいは正反対すぎます。
もはや、言葉のニュアンスが難しいとかいうのとは別のところに問題があることに私も気が付きました。
まるで拷問のよう
入社以降ずっとこんな調子でしたので、仕事の進みはかなり遅かったです。時給制ですから私自身は金銭的な損失が発生しているわけではありませんし、残業もありません。ですが、半日~1日かけてやった仕事を「使えない」と言われてまたやり直すのはかなりストレスの貯まることでした。
某強制収容所では囚人に穴を掘らせたあとまたその穴を埋めさせるのを延々と繰り返す拷問があったそうですが、意味がないとわかっている仕事をすることは肉体的な疲労以上に精神にダメージを与えることができるそうです。私もこの時は仕事ができなくて怒られまくっていた新人時代とはまた違う辛さを感じていて、毎日少しずつメンタルがすり減っていくようでした。気分がスッキリせず、疲れの取れない日が増えていきました。
発足当初はわきあいあいとしていて楽しげだったチームの雰囲気もなんだかピリピリしていきました。
「私に聞かれても困ります!」Sさんがそんな声を荒げることさえあったのです。
手を打たねばと思った私は、リーダー社員に時間を作ってもらってこのことを相談することにしました。
続きます。
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次回:3500万円が貯まるまで⑬「そして、私だけが残された」
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